トップページお役立ち記事新築に多いシックハウス症候群とは?原因と対策を分かりやすく解説

COLUMN

お役立ち記事

メインビジュアル画像

新築に多いシックハウス症候群とは?原因と対策を分かりやすく解説

はじめての家づくり暮らし・ライフスタイル 2025年12月5日 NEW

新しい住まいでの生活は心躍るものですが、一方でシックハウス症候群という健康リスクも潜んでいます。

この記事では、シックハウス症候群の原因や具体的な症状、そして家づくりの各段階でできる有効な対策について、分かりやすく解説いたします。

ご家族の健康を守り、安心して新生活をスタートするための知識としてお役立てください。

目次

【シックハウス症候群とは、室内空気の汚染が原因で起こる健康障害】

シックハウス症候群は、建材や家具などから放散される化学物質、あるいはカビやダニといった「ハウスダスト」によって室内の空気が汚染され、そこで生活する人の健康に悪影響を及ぼす状態の総称です。

症状の現れ方には個人差が大きく、同じ環境にいても全く症状が出ない人もいれば、敏感に反応してしまう人もいます。

特定の病名ではなく、室内の空気環境に起因するさまざまな体調不良を指す言葉として使われています。

そのため家の中にいる時にだけ症状が現れ、家の外に出ると症状が和らぐ、または消えるのが特徴の一つです。

【シックハウス症候群を引き起こす3つの主な原因】

シックハウス症候群は、単一の原因で発症するわけではなく、複数の要因が複雑に絡み合って起こります。

それぞれの原因について理解を深めることが、効果的な対策につながります。

ここでは、主な原因である「化学物質」「ハウスダスト」「換気不足」について、詳しく見ていきましょう。

建材や家具から放散される化学物質

シックハウス症候群の最も代表的な原因は、建材や家具から放散されるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった揮発性有機化合物(VOC)です。

これらは、合板や壁紙の接着剤、塗料、防腐剤などに含まれており、常温で気化して空気中に広がります。

特に新築やリフォーム直後は、これらの建材が新しいため化学物質の放散量が多くなります。

現在では、2003年の建築基準法改正により、ホルムアルデヒドを放散する建材の使用が厳しく制限され、24時間換気システムの設置が義務付けられるなど対策が進んでいます。

しかし、規制対象外の化学物質も存在するため、建材選びには引き続き注意が必要です。

カビやダニなどハウスダストによる室内汚染

化学物質だけでなく、カビの胞子やダニの死骸・フンといったハウスダストもシックハウス症候群の原因となります。

これらはアレルギー性疾患を引き起こすアレルゲンであり、くしゃみや鼻水、咳、皮膚のかゆみといった症状を誘発します。

特に、近年の高気密な住宅は湿気がこもりやすく、結露が発生しやすい環境です。

こうした高温多湿な場所は、カビやダニが繁殖するのに最適な条件となります。

エアコンの内部やカーペット、布団、壁の内部など、目に見えない場所で増殖することもあるため、こまめな掃除や除湿を心がけ、清潔な室内環境を維持することが大切になります。

住宅の高気密化による換気不足

現代の住宅は、省エネルギー性能を高めるために高気密・高断熱構造が主流になっています。

これにより、外気の影響を受けにくく快適な室温を保ちやすくなる一方、意図的に換気を行わないと室内の空気が滞留しやすいという側面も持ち合わせています。

建材や家具から放散される化学物質や、生活の中で発生する二酸化炭素、ハウスダストなどが室内にこもり、空気の汚染が進んでしまいます。

2003年以降に建てられた住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、電気代を気にして止めてしまったり、フィルターの掃除を怠ったりすると、その効果を十分に発揮できません。

計画的な換気を行い、常に新鮮な空気を取り入れることが不可欠です。

ハーバーハウスの住宅性能について詳しく見る

【シックハウス症候群の具体的な症状】

シックハウス症候群の症状は多岐にわたり、人によって現れ方が異なります。

また、風邪やアレルギー性鼻炎など他の病気の症状と似ているため、原因が室内環境にあると気づきにくい場合があります。

「その家に入ると症状が出るが、外に出ると楽になる」という場合は、シックハウス症候群の可能性を考慮する必要があります。

チカチカする、かゆみ、涙目

鼻・喉

鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、イガイガする

皮膚

かゆみ、湿疹、じんましん

全身

頭痛、めまい、吐き気、倦怠感

【新築住宅の化学物質はいつまで放散される?症状が続く期間の目安】

新築住宅で使われる建材や接着剤から放散される化学物質の量は、入居直後が最も多く、時間とともに徐々に減少していきます。

一般的に、ホルムアルデヒドなどの濃度は半年から1年ほどで大きく低下し、その後も数年かけて緩やかに放散が続くとされています。

症状がいつまで続くかは、原因物質の種類や量、個人の体質によって大きく異なるため、一概に何年で治まるとは断定できません。

しかし、換気を十分に行い、室内の化学物質濃度を低く保つことで、症状は軽減される傾向にあります。

家具を新しく購入した場合や、夏場に気温が上昇すると化学物質の放散量が増えることもあるため、継続的な対策が必要です。

ハーバーハウスの住宅性能について詳しく見る

【段階別|新築のシックハウス症候群を防ぐための対策方法】

シックハウス症候群を未然に防ぐためには、家づくりの計画段階から入居後の生活に至るまで、各段階で適切な対策を講じることが重要です。

これからご紹介する「建築・購入前」「引っ越し前」「入居後」の3つのステップに分けて対策を考えることで、リスクを効果的に減らすことが可能になります。

漠然とした不安を抱えるのではなく、具体的な行動に移すことで、安心して暮らせる住まいを実現させましょう。

【建築・購入前】家づくりの段階でできる対策

家づくりの計画段階では、シックハウス症候群の原因となる化学物質を、できるだけ使わない建材を選ぶことが最も効果的な対策です。

内装材や建材には、ホルムアルデヒドの放散量に応じて等級が定められており、最も放散量が少ない「F☆☆☆☆(フォースター)」の製品を選ぶことが基本となります。

また、合板フローリングの代わりに無垢材を、ビニールクロスの代わりに漆喰や珪藻土、紙クロスといった自然素材を採用することも有効です。

建売住宅やマンションを購入する場合でも、どのような建材が使われているか、「F☆☆☆☆」に対応しているかを販売会社に確認するようにしましょう。

ハーバーハウスでは、長い年月を共にする住まいだからこそ、室内の空気の質にもこだわっています。

最高ランクの「F☆☆☆☆」認定の建材を使用し、シックハウス症候群のリスクを極限まで削減することで、ご家族の健康を守ります。

ハーバーハウスの住宅性能について詳しく見る

【引っ越し前】入居前に必ず行いたい対策

新築住宅への入居前には「ベイクアウト」という対策を行うことをおすすめします。

ベイクアウトとは、入居前に一度室内の温度を高くして、建材や家具に含まれる化学物質の放散を意図的に促進させ、その後換気によって一気に屋外へ排出する方法です。

※窓やドアをすべて閉め切り、暖房器具などを使って室温を30℃以上に上げて数時間保ち、その後すべての窓を開けて数十分~数時間、十分に換気を行います。

この一連の作業を数回から数日間繰り返すことで、入居後の室内の化学物質濃度を効果的に低減させることが期待できます。

引っ越し前の荷物がない状態で行うのが最も効率的であり、ベイクアウトはご自身で行うことも可能です。

【入居後】暮らしの中で継続できる対策

入居後は、日々の生活の中で対策を継続することが大切です。最も基本的で重要な対策は「換気」です。

建築基準法で設置が義務付けられている24時間換気システムは、常に稼働させておくようにしましょう。

それに加えて、1日に数回、窓を2か所以上開けて空気の通り道を作り、数分間の自然換気を行うとさらに効果的です。

また、カビやダニの発生を抑えるために、適切な湿度管理も欠かせません。

除湿器やエアコンの除湿機能を活用し、湿度を60%以下に保つことを心がけてください。
こまめな掃除でハウスダストを除去することも重要です。

新たに家具を購入する際も、できるだけ化学物質の放散が少ない製品を選ぶよう意識することが、長期的な健康維持につながります。

ハーバーハウスの住宅性能について詳しく見る

【まとめ】

シックハウス症候群は、新築住宅で使われる建材などから放散される化学物質や室内のハウスダスト、換気不足が複合的に作用して引き起こされる健康障害です。

その対策は家づくりの計画段階から始まります。

ホルムアルデヒドの放散量が少ない「F☆☆☆☆」の建材や自然素材を選ぶこと、入居前には「ベイクアウト」を実施すること、そして入居後は24時間換気システムの常時稼働と定期的な換気、こまめな掃除を継続することが有効です。

これから新築を計画される方はこれらの対策を念頭に置き、設計担当者や住宅会社とよく相談しながら、家族が健康で安心して暮らせる住まいづくりを進めていくことが求められます。

完全自由設計のハーバーハウスでは、健康に配慮した設計・素材選び・換気計画までトータルでご提案しています。

シックハウス症候群の対策を含めて、ご家族が安心して暮らせる住まいをご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。