
平屋は地震に強い?平屋の耐震性について解説!
平屋は、その構造や形状から地震に強いと言われることが多いです。
なぜ平屋が地震に強いのか、その要因を知ることで、家づくりの選択肢として平屋をより具体的に検討できます。
今回は、平屋の耐震性に焦点を当て、その理由やさらに安全性を高めるための方法、他の構造との比較、災害への備えについて詳しく解説します。
平屋が地震に強いとされるのには、いくつかの理由があります。
建物の構造や重さ、そして地面に近いという特性が耐震性に関わってくるのです。
これらの要因が組み合わさることで、地震の際に建物にかかる力を効果的に分散させたり、揺れの影響を軽減したりする働きが期待できます。
平屋のどのような点が耐震性において優れているのかを具体的に見ていきましょう。
シンプルな構造であるため
平屋は、一般的に壁と天井、床の6面で構成されるシンプルな構造をしています。
このシンプルさが、地震の揺れによる力を建物全体で受け止め、分散させるのに役立ちます。
2階建て以上の建物に比べて構造が複雑になりにくいため、特定の箇所に力が集中しにくく、結果として倒壊のリスクを低減する力があると考えられます。
箱型の基本的な形は構造物として安定しており、外部からの強い力に対してバランス良く対応できる特徴を持っています。
建物が低く安定しているため
平屋は建物の高さが低いため、重心が地面に近くなります。
建物は高さが高くなるほど地震の揺れの影響を受けやすくなるため、平屋のように重心が低い建物は揺れに対して安定性が高いとされています。
上の階がないことで、地震が発生した際の揺れが小さく抑えられ、建物自体にかかる負担が軽減されます。
これは地震だけでなく、台風などの横からの強い風に対しても同様に強いと言える要因となります。
建物全体の重量が軽いため
平屋は2階以上の部分がないため、建物全体の重量が比較的軽くなります。
建物が軽いほど、地震の揺れによって発生するエネルギーを抑える効果が期待できます。
これは、地震の際に建物にかかる負荷を軽減することにつながり、構造体へのダメージを抑える上で有利に働きます。
単位面積あたりの重量が軽いことも、地震の揺れを受けにくい要因の一つと言えるでしょう。

平屋が地震に強いと言われることが多いですが、他の階数や構造の建物と比較するとどうなのでしょうか。
2階建てとの耐震性の違いや、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造による耐震性の特徴を理解することで、家づくりの選択においてより適切な判断ができるようになります。
地震に強い家を目指す上で、それぞれの構造が持つ特性を知ることは非常に重要です。
2階建てとの耐震性の違い
平屋と2階建てを比較した場合、一般的には平屋の方が耐震性に優れている傾向があります。
これは、平屋がシンプルな構造で重心が低く、建物全体の重量も軽いため、地震の揺れによる影響を受けにくいためです。
2階建ては平屋に比べて建物が高くなり重心も上がるため、上層階ほど揺れが大きくなりやすく、家具の転倒などのリスクも高まる可能性があります。
また、2階があることで構造が複雑になりやすく、地震の力が特定の箇所に集中してしまうことも考えられます。
ただし、2階建てでも適切な設計や耐震補強を行えば、平屋と同様に強い耐震性を持つ家を建てることは可能です。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造
住宅の構造には、主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)があります。
一般的に耐震性が高いと言われる順は、木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造となる傾向がありますが、これはあくまで一般的な比較であり、どの構造であっても建築基準法で定められた耐震基準を満たしていれば一定の安全性は確保されています。
・木造
比較的軽量でコストを抑えやすいという特徴があり、適切な耐力壁の配置や補強を行うことで地震に強い家を実現できます。
・鉄骨造
鉄のしなやかさにより地震のエネルギーを分散させる特徴があり、軽量鉄骨造は平屋や2階建てに、重量鉄骨造は3階建て以上の建物に用いられることが多いです。
・鉄筋コンクリート造
非常に強度が高く、大規模な建物にも用いられます。

平屋は構造的に地震に強いと言われますが、さらに安全性を高めるための対策を講じることは非常に重要です。
特に地震大国である日本では、予期せぬ大きな地震に備えることが大切です。
地盤の状況を確認し適切な改良を行うこと、耐震等級の高い設計にすること、最新の技術を導入することなど、様々な対策があります。
これらの対策を講じることで、万が一の災害時にも家族と家を守る力を高めることが期待できます。
具体的にどのような対策があるのかを見ていきましょう。
地盤調査の実施と適切な地盤改良
どんなに耐震性の高い建物を建てても、それを支える地盤が弱ければ意味がありません。
特に軟弱地盤と呼ばれる水分を多く含んだ土地では、地震の際に地盤沈下や液状化が発生し、建物が傾いたり潰れるたりするリスクが高まります。
建築前に必ず地盤調査を実施し、地盤の強度や状態を正確に把握することが重要です。
調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は、地盤改良工事が必要となります。
地盤改良にはいくつかの工法があり、地盤の状況に応じて最適な方法が選択されます。
また、過去の地図で建築予定地が沼地や田んぼだったかなどを確認することも、地盤の状況を知る上で有効な手段の一つです。
耐震等級3の取得
耐震等級とは、建物の耐震性能を示す指標であり、1から3までの3段階があります。
耐震等級3は最も高いレベルで、建築基準法で定められた耐震基準(耐震等級1)の1.5倍の地震力に耐えられる構造とされています。
震度6強から7程度の地震でも、倒壊や崩壊する可能性が低いとされており、地震に対する安全性を大きく高めることにつながります。
耐震等級3を取得するためには、壁の配置や構造部材の接合部などを強化する必要があり、専門的な知識と技術が求められます。
地震に強い家、そして災害に強い家を建てる上で、耐震等級3は一つの明確な目標となります。

制震技術や免震技術の導入
耐震構造は建物自体の強度を高めて地震の揺れに耐える考え方ですが、さらに揺れを軽減するための技術として制震や免震があります。
制震は、建物に組み込んだダンパーなどの装置が地震の揺れのエネルギーを吸収し、建物の揺れを抑える技術です。
これにより、構造体にかかる力や変形を軽減し、建物の損傷を抑える効果が期待できます。
免震は、建物と基礎の間に免震装置を設置し、地震の揺れが建物に直接伝わりにくくする技術です。
地震の揺れと建物を切り離すことで、建物全体の揺れを大幅に低減させることができます。
これらの技術を導入することで、地震による建物の被害をさらに軽減し、災害時にも安心して過ごせる可能性が高まります。
軽い屋根材の使用
建物の重さは地震の揺れの大きさに影響します。
建物が重いほど地震の揺れが大きくなる傾向があるため、特に建物の最上部である屋根を軽くすることは、耐震性を高める上で有効な対策の一つです。
平屋は2階がない分、建物全体が軽い傾向にありますが、屋根材を軽量なものにすることで、さらに建物にかかる負担を軽減し、地震の揺れを小さく抑える効果が期待できます。
例えば、重い瓦屋根よりも、軽量なスレート屋根材などの方が地震に対して有利に働くと言えるでしょう。
屋根材を選ぶ際には、デザインや耐久性だけでなく、その重量も考慮することが重要です。
バランスの良い建物の設計
平屋は比較的シンプルな形状になりやすいですが、建物の形が複雑になると、地震の力が集中しやすい箇所ができてしまい、耐震性が低下する可能性があります。
地震の揺れによる力を建物全体にバランス良く分散させるためには、できるだけ凹凸の少ない、正方形や長方形に近いシンプルな形状にすることが望ましいです。
間取りの都合などで複雑な形状にする必要がある場合でも、耐力壁の配置など構造的なバランスを考慮した設計を行うことが重要です。
建物のバランスが良い設計は、地震の揺れによる影響を均等に受け止め、安全性を確保する上で不可欠です。

ここまで平屋の耐震性について解説しましたが、最後に、耐震性以外の平屋のメリットについてもご紹介します。
効率的な生活動線
平屋はワンフロアで生活が完結するため、効率的な生活動線を確保しやすいというメリットがあります。
階段の上り下りがないため、家事や移動が楽になり、高齢者や小さなお子さんがいる家庭でも安心して暮らせます。
また、ワンフロアなので家族間のコミュニケーションも取りやすく、どこにいても家族の気配を感じられます。
平家ならではのこの利便性は、日々の暮らしをより快適なものにしてくれます。
メンテナンス費用の抑制
平屋は2階建て以上の建物に比べて、外壁や屋根のメンテナンスにかかる費用を抑えられる傾向があります。
足場を組む範囲が少なく済むため、その分のコスト削減につながります。
家を長く良い状態で保つためには定期的なメンテナンスが必要ですが、平屋であればメンテナンスの際の負担を軽減できる可能性があります。
古い家になってくるとメンテナンスの頻度も増えることが考えられるため、長期的な視点で見るとメンテナンス費用の抑制は大きなメリットと言えるでしょう。
この記事では、平屋が地震に強いと言われる理由や、さらに耐震性を高める方法について詳しく解説しました。
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