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【実例紹介】猫と暮らす家のつくり方!ストレスのない間取りのポイントとは

はじめての家づくり 2025年10月10日 NEW

猫と暮らすと、日々の暮らしに癒やしと楽しさが加わります。

これから猫を迎える、あるいはすでに一緒に暮らしている方にとって、猫も人も快適に過ごせる家づくりは重要なテーマです。

猫の習性を理解し、ストレスのない間取りや工夫を取り入れることで、両者の関係はより良いものになります。

この記事では、猫と人が共に幸せに暮らすための家づくりのポイントを、具体的な間取りの実例を交えながら解説します。

目次

【知っておきたい猫の5つの習性】

猫と快適に暮らす家を考えるなら、まず猫が持つ独特の習性を知ることが大切です。

猫の行動にはすべて理由があり、それを理解することが、猫にとって安全でストレスの少ない環境づくりの第一歩となります。

猫ならではの習性を知ることで、家づくりの際に気をつけるべき注意点も見えてきます。

ここでは、猫と暮らす家づくりに関わる5つの基本的な習性を紹介します。

高い場所や狭い場所が大好き

猫は本能的に高い場所や狭い空間を好む習性があります。

これは、祖先が外敵から身を守り、獲物を見つけやすくするために高い木の上などで生活していた名残です。
高い場所からは部屋全体を見渡せるため、猫は安心感を得られます。

家の中では、キャットウォークやキャットステップを設置して上下運動ができる環境を整えてあげましょう。

また、家具の配置を工夫して棚の上などに登れるようにしたり、クローゼットや押し入れの中に猫専用の小さな隠れ家をつくったりするのもおすすめです。

インテリアに馴染むデザインを選べば、おしゃれな空間を演出しながら猫の満足度も高められます。

日当たりの良い場所でのんびりするのが好き

猫が日当たりの良い場所でくつろいでいる姿はよく見られますが、これには体温調節やリラックス効果、皮膚の殺菌といった理由があります。

そのため、家の中に日向ぼっこができるスペースを確保してあげることは、猫の健康にとっても重要です。

特に、外の景色を楽しめる窓際は猫にとって特等席になります。

出窓を設けたり、窓際にカウンターや幅の広い窓枠、ソファを配置したりすることで、猫が快適に過ごせるお気に入りの場所が生まれます。

季節や時間帯によって日の当たる場所は変わるため、家の中に複数の日向ぼっこスポットを用意しておくと、猫は自分で快適な場所を選んでのんびりできます。

自分の縄張りをパトロールする習性がある

猫には、自分の縄張りである家の中を定期的に歩き回り、異常がないかを確認するパトロールの習性があります。

この習性を満たしてあげるためには、家の中を自由に動き回れる動線を確保することが大切です。

間取りを考える際は、行き止まりを少なくし、部屋から部屋へと通り抜けられる回遊性のあるレイアウトを意識すると良いでしょう。

例えば、リビングから廊下、そして別の部屋を通ってまたリビングに戻れるような動線があると、猫は満足してパトロールできます。

ドアに猫専用の通り道を設けたり、家具の配置で通路を塞いだりしないよう配慮することも、猫が安心して縄張りを管理できる環境づくりにつながります。

爪とぎで心と体をメンテナンスする

猫にとって爪とぎは、古い爪を剥がして鋭さを保つためのメンテナンスであると同時に、自分のニオイをつけて縄張りを主張するマーキング行動や、気分転換、ストレス解消といった複数の役割を持つ重要な行為です。

これを無理にやめさせようとすると、猫にとって大きなストレスになります。

そのため、家の中の壁や家具で爪とぎをされる前に、思う存分爪とぎができる専用の場所を用意してあげましょう。

猫が好みやすいとされる、通り道や寝床の近くの柱や壁に、麻縄や段ボール、木材などでつくられた爪とぎを設置するのが効果的です。

清潔で静かなプライベート空間を求める

猫は非常にきれい好きで、トイレの環境にはとても敏感です。

安心して排泄できるよう、トイレは人の出入りが少なく、食事場所や寝床から離れた静かな場所に設置するのが基本です。

また、常に清潔な状態を保つ必要があるため、飼い主が掃除しやすい場所を選ぶことも大切になります。

猫がリラックスして使えるよう、ある程度の広さを確保し、落ち着けるプライベートな空間を用意してあげましょう。

多頭飼いをしている場合は、猫同士のトラブルを避けるためにも、猫の数プラス1個のトイレを設置するのが理想とされています。

【習性別|猫がのびのび暮らすための間取りのポイント】

猫の習性を理解したら、次はそれを実際の家づくりにどう活かすかを考えていきましょう。

猫が持つ「運動したい」「休みたい」「排泄したい」といった欲求を満たせる間取りの工夫を取り入れることで、猫はストレスなくのびのびと暮らせます。

ここでは、猫の習性別に具体的な間取りのポイントを紹介します。

【運動】キャットウォークやステップで上下運動をたっぷり確保する

室内で暮らす猫は運動不足になりがちですが、特に上下運動は猫の狩猟本能を満たし、ストレスを解消するために欠かせません。

そこで活躍するのが、壁に取り付けるキャットウォークやキャットステップです。

リビングの吹き抜けや廊下の壁、階段の壁面などを利用して設置すれば、猫が立体的に移動できる遊び場が生まれます。

家具からステップへ、そしてキャットウォークへと続く動線をつくると、猫は家中をアスレチックのように楽しめます。

高い場所から部屋を見下ろせるため、猫の満足度も高まります。
素材やデザインを工夫すれば、室内のアクセントとしても機能します。

【休息】日向ぼっこができる窓辺にくつろぎスペースをつくる

猫が安心して体を休められる場所は、1ヶ所だけでなく複数用意しておくのが理想です。

特に日当たりが良く、外の景色を眺められる窓辺は、猫にとって絶好のくつろぎスペースになります。

出窓を設けて猫専用のベッドを置いたり、窓際にカウンターや造作ベンチを設置したりするのも良い方法です。
日差しの柔らかい和室の窓辺なども、猫が好む場所の一つです。

季節や時間によって快適な場所は変わるため、家のあちこちに猫のお気に入りの場所をつくってあげることで、猫は自分で居心地の良い場所を選んでリラックスできます。

【トイレ】ニオイがこもらず掃除もしやすい設置場所を選ぶ

猫のトイレをどこに置くかは、ニオイや衛生面、猫のプライバシーを考えると非常に重要な問題です。

ニオイがこもらないよう、換気扇がある洗面所や、24時間換気システムの給排気口の近くなどが適しています。

また、猫が落ち着いて用を足せるように、人の出入りが激しい場所や、洗濯機など大きな音がする家電の近くは避けるべきです。

飼い主にとっても、毎日の掃除は欠かせないため、掃除用具を近くに収納でき、楽な姿勢で作業できるスペースを確保しておくと負担が減ります。

階段下のスペースを活用して、猫のトイレ専用の小部屋を設けるのも良いアイデアです。

【爪とぎ】壁や柱に思う存分できる専用コーナーを用意する

猫の爪とぎから大切な家を守るには、爪とぎをやめさせるのではなく、「ここでなら思う存分してもいいよ」という場所を提供することが解決策になります。

猫が爪とぎをしたくなるのは、寝起きや遊んでいるとき、縄張りを主張したいときなどです。

そのため、猫がよく通る廊下の壁や、リビングの柱など、目につきやすい場所に爪とぎコーナーを設けるのが効果的です。

壁に爪とぎ用のパネルを埋め込んだり、柱に麻縄を巻き付けたりする方法があります。

あらかじめ壁紙を傷に強いタイプにしておくと、万が一、他の場所で爪とぎをされても被害を最小限に抑えられます。

【食事】落ち着いて食べられる専用の食事スペースを設ける

猫が安心して食事に集中できる環境を整えることも大切です。

食事場所は、人の往来が少なく、トイレからも離れた静かな場所を選びましょう。
キッチンの隅やダイニングの一角にスペースを設けるのが一般的です。

床に直接食器を置くと、ほこりが入ったり食べにくかったりすることがあるため、少し高さのある台の上に置くのも良いでしょう。

多頭飼いの場合は、猫同士が互いを気にせず食べられるよう、食器の間隔を十分に空けるか、別の場所で食事をさせるなどの配慮が求められます。

フードや食器をまとめてしまえる収納を近くにつくると、準備がスムーズになります。

【場所別|愛猫を危険から守る!家の中の安全対策】

人が快適に暮らすためにつくられた家も、好奇心旺盛な猫にとっては思わぬ危険が潜んでいることがあります。

誤飲や転落、脱走といった事故を未然に防ぐためには、家の中の危険な箇所を把握し、あらかじめ対策を施しておくことが不可欠です。

玄関やキッチン、浴室など、場所ごとに潜むリスクと具体的な安全対策を知ることで、猫が安心して暮らせる住環境を整えられます。

家づくりの段階から安全対策を盛り込むことが、愛猫との長く幸せな暮らしにつながります。

玄関や窓からの飛び出しを防ぐ脱走防止策

猫の脱走事故は、玄関ドアや窓の開閉時に最も多く発生します。

これを防ぐ最も効果的な方法は、玄関の内側にもう一つ扉や引き戸、ゲートを設置することです。
万が一、玄関ドアから猫が飛び出しても二重のガードで脱走を防げます。

窓からの脱走対策としては、猫が簡単に開けられないように補助錠を取り付けたり、網戸をロック機能付きのものや破れにくいペット用の強化網戸に交換したりすると安心です。

来客時や荷物の搬入時などは注意が散漫になりがちなので、物理的な脱走防止策を講じておくことが重要です。

キッチンの火や刃物による事故を防ぐ侵入防止策

キッチンには、コンロの火や熱い調理器具、包丁、猫が口にすると危険な食材など、多くの危険が存在します。

特にIHクッキングヒーターは、猫が肉球でスイッチを押してしまい、火災につながる事故も報告されています。

使用しないときは主電源を切る、チャイルドロックをかける、専用のカバーを置くなどの対策を徹底しましょう。

調理中や外出時には、猫がキッチンに入れないように、入口にペットゲートを設置したり、間取りを工夫して引き戸で仕切れるようにしたりするのが最も安全な方法です。

浴室での溺れる事故や転落を防ぐ工夫

浴槽に残り湯を張ったままにしていると、猫が誤って転落し、溺れてしまう危険性があります。

特に子猫や高齢の猫は、一度落ちると自力で這い上がれないことがあります。
入浴後はお湯を抜くか、必ず重さのある風呂蓋を閉める習慣をつけましょう。

普段から浴室のドアはしっかりと閉めておき、猫が自由に出入りできないようにすることも重要です。

また、床が濡れていると滑りやすいため、猫が入る可能性がある場合は注意が必要です。

吹き抜けや階段からの落下を防止する手すりやネット

吹き抜けや高窓、鉄骨階段などは、猫が高い場所を好む習性から登ってしまうことがありますが、足を滑らせて落下する危険も伴います。

特に手すりの隙間が広いデザインの場合は、猫がすり抜けて落ちてしまう可能性があります。

対策としては、手すりの隙間にアクリルパネルを設置したり、落下防止ネットを張ったりするのが効果的です。

新築やリフォームを計画する際には、設計段階で工務店や建築士に相談することで、手すりの隙間を猫が通り抜けられない幅にしたり、猫が上に乗りにくい形状のデザインを選んだりするなどの配慮を盛り込めます。

【飼い主の負担を減らす!キレイが続く家づくりのコツ】

猫との暮らしはかけがえのないものですが、抜け毛の掃除やニオイ対策、壁や床の傷のメンテナンスなど、飼い主の負担が増える側面もあります。

しかし、家づくりの段階で素材選びや間取りを工夫することで、こうした日々の手間を軽減し、人も猫も快適な住環境を長く保つことが可能です。

ここでは、キレイが続く家づくりのコツを紹介します。

傷や汚れに強い壁紙や床材を選ぶ

猫の爪とぎや走り回ることによる傷、時には粗相による汚れなど、壁や床はダメージを受けやすい場所です。

壁紙には、一般的なビニールクロスよりも表面が強化されたタイプや、汚れが拭き取りやすいフィルムがラミネートされた製品を選ぶとメンテナンスが楽になります。

床材は、猫の足腰への負担を考え、滑りにくい素材を選ぶことが重要です。

ペット対応のフローリングやクッションフロアなどは、傷がつきにくく、耐水性や防滑性にも優れています。

床の色を猫の毛の色に合わせると、抜け毛が目立ちにくくなるというメリットもあります。

猫特有のニオイを解消する換気計画

猫と暮らす上で多くの人が気にするのが、トイレ周りを中心としたニオイの問題です。

効果的なニオイ対策の基本は換気であり、家全体の空気がよどみなく流れるような換気計画が重要になります。

24時間換気システムを適切に稼働させるのはもちろん、風の通り道を考えて窓を配置することも有効です。

特にニオイが発生しやすい猫のトイレを置くスペースには、専用の換気扇を設置したり、壁に調湿・消臭効果のある建材(エコカラットなど)を採用したりすると、より効果的にニオイを抑制できます。

猫用品をすっきり見せる収納のアイデア

キャットフードのストック・猫砂・トイレシート・おもちゃ・ケア用品など、猫と暮らすと物が増えがちです。

これらの猫用品がリビングなどに出しっぱなしになっていると、どうしても生活感が出てしまいます。

そこで、あらかじめ専用の収納スペースを設けておくのがおすすめです。

例えば、階段下のデッドスペースや、パントリーの一角を猫用品の定位置にするというアイデアがあります。

また、猫のトイレの近くに掃除用具や消耗品をしまえる棚を造作したり、リビングの収納内にキャットタワーごと隠せるスペースをつくったりすると、部屋全体がすっきりと片付きます。

【実例|理想的な猫と幸せに暮らす家3選】

猫も人も快適に暮らすためのポイントを紹介してきましたが、実際の注文住宅ではどのように工夫が凝らされているのでしょうか。

ここでは、猫との暮らしを豊かにするために考え抜かれた間取りの実例を3つご紹介します。

これらの実例を参考に、ご自身の理想の家づくりを具体的にイメージしてみてください。

リビングの勾配天井にキャットウォークを組み合わせた家

天井が高く開放感のある勾配天井や吹き抜けは、キャットウォークを設置するのに最適な空間です。

この実例では、リビングの梁や壁を利用して、部屋をぐるりと見渡せる高さにキャットウォークが設けられています。

猫は高い場所から家族の様子を眺めたり、日当たりの良い場所で昼寝をしたりと、お気に入りの時間を過ごせます。

さらに、2階の寝室ともつながる猫専用の動線が確保されており、猫が自由に上下運動を楽しめるよう工夫されています。

家族が集うリビングで猫がのびのびと遊ぶ姿は、日々の暮らしにさらなる彩りを与えてくれます。

【お客様の声を見る】

猫壁と猫トンネルで暮らしを楽しむ家

リビング横の壁一面に、マグネットパーツで自由にキャットウォークを取り付けることができる「猫壁(にゃんぺき)」を採用しました。

マグネットパーツは丸みを帯びたデザインで、フェルト生地の心地よい肌触りのため、猫にもやさしく、見た目にも可愛らしいインテリアとして空間にマッチしています。

猫の年齢や性格に合わせて、手軽に配置を変えられるのも嬉しいポイントです。

また、足元に猫だけが通れる小さなトンネルを設け、ドアを通らずに家中を移動できるようになっています。

人と猫が安心して暮らせる環境が整えられています。

ねこゲートで仕切る独立型キッチンがある家

家族同然のペットでも、食材や火を扱うキッチンには近づいてほしくないと考える飼い主も多いです。

この実例では、キッチンへの侵入を阻止しつつ、空気の循環や閉塞感の軽減を叶えてくれる格子デザインの建具「ねこゲート」を採用しています。

キッチン正面には室内窓を設け、リビングのキャットウォークでくつろぐ猫を眺めながら家事をすることもできます。

この他にも、階段下を有効活用した専用のトイレスペース、猫の足腰にもやさしい無垢フローリング、取っ手が猫のしっぽになっているドアなど、猫好きの施主様がこだわり抜いた「猫のための家」に仕上がっています。

【他のペットと暮らす家の事例を見る】

【まとめ】

猫と人が、共に快適で幸せに暮らす家を実現するためには、猫ならではの習性を深く理解し、それを間取りや設備計画に反映させることが基本です。

高い場所を好む猫のために上下運動ができるキャットウォークを設けたり、安心して休息できる日当たりの良い場所を確保したりすることが、猫のストレス軽減につながります。

また、脱走や事故を防ぐための安全対策を各所に施すこと、そして傷やニオイに配慮した建材選びや、増えがちな猫用品の収納計画で飼い主の負担を減らす工夫も、長く快適な共生には不可欠です。

ハーバーハウスでは、経験豊富な設計スタッフ・インテリアコーディネーターが、お客様一人ひとりのご予算やご要望に合わせて最適なプランをご提案いたします。

ペットとの暮らしを検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。