
【実例あり】中庭のある家のメリット・デメリットについて解説!
家にいながら自然の光や風を感じられる「中庭のある家」は、プライベートな屋外空間として人気を集めています。
この記事では、中庭のある家のメリット・デメリットを分かりやすく解説するとともに、おしゃれな実例を写真付きでご紹介します。
中庭には様々な魅力がありますが、同時に知っておくべき注意点も存在します。
理想の住まいを実現するために、基本的な知識から成功のポイントまでをしっかり押さえていきましょう。
目次
- 【そもそも「中庭のある家」とは?坪庭との違いも解説】
- 【中庭の代表的な3つの形状とそれぞれの特徴】
・コの字型|開放感とプライベート感を両立
・ロの字型|外部の視線を遮る完全なプライベート空間
・L字型|角地や限られたスペースでも設置しやすい - 【中庭のある家で実現できる5つのメリット】
・家全体に明るい自然光を取り込める
・人目を気にせず過ごせるプライベートな屋外空間が手に入る
・家じゅうに心地よい風が通り抜ける
・窓からの侵入を防ぎ防犯性が向上する
・アウトドアリビングとして多目的に活用できる - 【知っておきたい中庭のある家の4つのデメリット】
・建築費用が高くなる傾向がある
・居住スペースが狭くなる
・生活動線が長くなり移動が不便になることも
・定期的な掃除やメンテナンスの手間がかかる - 【後悔しない!中庭のある家づくりの成功ポイント】
・暮らしやすい生活動線を考慮して間取りを設計する
・水はけを良くするために排水設備を整える
・虫の発生や湿気への対策をあらかじめ計画する
・ライフスタイルに合った活用方法を具体的にイメージする - 【おしゃれな「中庭のある家」の間取り実例を紹介】
・シンボルツリーが映える家族の憩いの場となる中庭
・キッチンと直結したアウトドアダイニングとして使える中庭
・二世帯住宅の程よい距離感を保つ中庭
・空を独り占めできる開放感抜群の屋上のような中庭 - 【まとめ】
【そもそも「中庭のある家」とは?坪庭との違いも解説】

中庭のある家とは、建物の内側や壁に囲まれた場所に設けられた庭を持つ住宅のことです。
コの字型やロの字型、L字型の建物で囲むのが一般的で、平屋や2階建てなど、さまざまな新築住宅で取り入れられています。
似たものに坪庭がありますが、これは主に観賞を目的とした小さな庭を指すことが多いです。
一方、中庭は屋外リビングとして使ったり、子どもたちの遊び場にしたりと、多目的に活用できる広いスペースを指すことが多く、プライベートな屋外空間としての役割が強い点が大きな違いです。
【中庭の代表的な3つの形状とそれぞれの特徴】

中庭には、建物のレイアウトによって主に「コの字型」「ロの字型」「L字型」という3つの代表的な形状があります。
それぞれの形状で、プライバシーの確保の度合いや開放感、光の取り入れ方などが異なります。
敷地の形や周辺環境、そしてどのような暮らしをしたいかに合わせて最適な形状を選ぶことが、理想の中庭づくりにつながります。
ここでは、それぞれの形状が持つ特徴について詳しく見ていきましょう。
コの字型|開放感とプライベート感を両立
コの字型の中庭は、建物の三方を壁で囲み、一方が外部に開かれた形状をしています。
このレイアウトの大きな特徴は、プライベートな空間を確保しながらも、完全に閉ざされていないことによる開放感が得られる点です。
開いている方角から光や風を効果的に取り入れやすく、外とのつながりを感じられます。
外部からの視線が気になる場合は、開いている側に植栽やフェンスを設けることで、プライバシーを調整することも可能です。
コの字の形状は、プライバシーと開放感のバランスを取りたい場合に適した選択肢と言えるでしょう。
ロの字型|外部の視線を遮る完全なプライベート空間
ロの字型の中庭は、四方を完全に建物で囲んだ形状で、外部からの視線を完全に遮断できるのが最大の特徴です。
まるで家の中にもう一つの部屋があるかのような、完全なプライベート空間が生まれます。
人目を気にすることなく、家族や友人とバーベキューを楽しんだり、子どもやペットを安心して遊ばせたりできます。
一方で、建物の構造が複雑になるため建築コストが高くなる傾向があり、湿気や熱がこもりやすいという側面も持ち合わせています。
そのため、採光や通風、排水の計画を慎重に行う必要がある形状です。
L字型|角地や限られたスペースでも設置しやすい
L字型の中庭は、建物をアルファベットのL字に配置し、その内側のスペースを庭として活用する形状です。
コの字型やロの字型に比べてシンプルな構造のため、比較的省スペースで設置でき、建築コストも抑えやすいというメリットがあります。
角地や変形地、あるいは狭小住宅など、敷地が限られている場合でも取り入れやすいのが魅力です。
ただし、二方が外部に開かれているため、プライバシーを確保するためには、道路や隣家からの視線を遮るフェンスや植栽などの工夫が必要になります。

【中庭のある家で実現できる5つのメリット】
中庭のある家は、デザイン性の高さだけでなく、暮らしを豊かにする多くのメリットをもたらします。
家の中心に光と風を呼び込み、プライバシーを守りながら開放的な空間を手に入れることが可能です。
また、防犯性を高めたり、家族のコミュニケーションの場として活用できたりと、機能面での利点も少なくありません。
ここでは、中庭のある家で実現できる具体的な5つのメリットについて、一つずつ詳しく解説していきます。
家全体に明るい自然光を取り込める
中庭を設ける最大のメリットの一つは、家全体に自然光を効率よく取り込めることです。
通常、家の中心部は窓から遠く、暗くなりがちですが、中庭に面して窓を設置することで、どの部屋にも明るい光を届けられます。
特に、住宅が密集している都市部や、北向きの土地など日当たりに条件がある場合でも、中庭が光の通り道となり、一日中明るい室内を保つのに役立ちます。
壁や床に反射した柔らかな光が家中に広がることで、開放的で心地よい空間が生まれます。
人目を気にせず過ごせるプライベートな屋外空間が手に入る

建物に囲まれた中庭は、道路や隣家からの視線を気にすることなく過ごせる、プライベートな屋外空間になります。
リビングに面した窓を大きく開け放っても、カーテンを閉める必要がなく、室内と屋外が一体となった開放的な暮らしが実現します。
天気の良い日にはテーブルを出して食事をしたり、子ども用のプールを広げて水遊びをしたりと、周囲の目を気にせず家族だけの時間を楽しむことが可能です。
プライバシーが守られた空間は、心からリラックスできる場所となるでしょう。
家中に心地よい風が通り抜ける
中庭は家全体の風通しを良くする上でも重要な役割を果たします。
中庭に面して複数の窓を設けることで立体的な風の通り道が生まれ、家中の空気を効率的に循環させられます。
これにより夏の暑い日でもエアコンだけに頼らず自然の風を取り入れて快適に過ごせます。
良好な風通しは室内の熱気を外に逃がすだけでなく、湿気がこもるのを防ぎカビの発生を抑制する効果も期待できます。
一年を通して心地よい室内環境を保つことに貢献します。
窓からの侵入を防ぎ防犯性が向上する
中庭のある家は防犯面でもメリットがあります。
建物の外周部に大きな窓を設ける必要が少なくなり、窓の多くを外部からアクセスしにくい中庭側に配置できるためです。
これにより道路に面した窓からの侵入リスクを低減できます。
また建物の形状が凹凸のある複雑な形になることで、構造的な強度が増し耐震性が向上するケースもあります。
もちろん耐震性については専門家による適切な構造計算が不可欠ですが、プライバシーを守りながら安全性を高められる点は大きな魅力です。
アウトドアリビングとして多目的に活用できる

中庭は、第二のリビングである「アウトドアリビング」として多目的に活用できます。
リビングと床の高さを合わせてウッドデッキを敷けば、室内との一体感が生まれ、より広々とした空間として使えます。
友人を招いてバーベキューを楽しんだり、ガーデニングや家庭菜園のスペースにしたり、子どもの遊び場にしたりと、ライフスタイルに合わせて使い方は自由自在です。
オーニングやパーゴラなどで屋根を設置すれば、日差しや多少の雨を気にせず、さらに活用の幅が広がります。

【知っておきたい中庭のある家の4つのデメリット】

多くの魅力がある中庭ですが、家づくりで失敗しないためには、デメリットや注意点も事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
後から「こんなはずではなかった」と後悔することのないように、計画段階で課題を理解し、対策を検討する必要があります。
ここでは、中庭のある家を建てる際に知っておきたい4つのデメリットについて解説します。
建築費用が高くなる傾向がある
中庭を設けると、建物の形状が四角形ではなく凹凸のある複雑な形になります。
これにより、壁の面積や角の部分が増えるため、同じ延床面積のシンプルな家と比較して建築費用が高くなる傾向があります。
外壁材や断熱材、窓などの建材費に加え、施工の手間も増えるため、全体の価格が上がります。
また、中庭部分には雨水が溜まらないように排水設備の設置が必須となり、その分の費用もかかります。
予算を検討する際は、一般的な住宅の相場よりも高くなる可能性を考慮しておきましょう。
居住スペースが狭くなる

限られた敷地面積の中に中庭を設けるということは、その分、居住スペースとして利用できる面積が減ることを意味します。
例えば、同じ30坪の土地に家を建てる場合、中庭に3坪の広さを割けば、建物に使える坪数は27坪になります。
そのため、中庭の開放感や魅力を優先するあまり、リビングや寝室、収納などのスペースが手狭になってしまう可能性があります。
家族構成やライフスタイルを考慮し、必要な部屋の広さや数を確保した上で、中庭の面積をどの程度にするか慎重に計画する必要があります。
生活動線が長くなり移動が不便になることも
選んだ間取りによっては、中庭を迂回して部屋から部屋へ移動する必要が生じ、生活動線が長くなることがあります。
例えば、リビングと寝室が中庭を挟んで対面に配置されている場合、移動のたびに長い廊下を通らなければならず、日々の暮らしの中で不便を感じるかもしれません。
特に、洗濯物を干したり取り込んだりといった家事動線が複雑になると、毎日の負担が増えてしまいます。
設計段階で、家族がどのように家の中を移動するかをシミュレーションし、効率的な間取りを検討することが重要です。
定期的な掃除やメンテナンスの手間がかかる
中庭は屋外空間のため、落ち葉や砂ぼこりが溜まりやすく、定期的な掃除が欠かせません。
特に、排水溝が落ち葉などで詰まってしまうと、大雨の際に水が溢れて室内に侵入する原因にもなりかねません。
そのため、こまめな手入れが必要になります。
また、中庭に面した窓ガラスも汚れやすくなるため、掃除の手間が増えることも覚悟しておきましょう。
ウッドデッキを設置した場合は、数年に一度の再塗装などのメンテナンスも発生します。
こうした手間をあらかじめ想定しておく必要があります。
【後悔しない!中庭のある家づくりの成功ポイント】
中庭のある家のデメリットを理解した上で、それらを克服するためのポイントを押さえることが、満足度の高い家づくりにつながります。
後悔しないためには、設計段階での細やかな配慮が欠かせません。
暮らしやすい動線の確保や、水はけ・湿気対策といった機能面での計画はもちろん、その空間をどのように活用したいかを具体的にイメージすることが大切です。
経験豊富なハウスメーカーと相談しながら、理想の暮らしを実現するためのポイントを見ていきましょう。
暮らしやすい生活動線を考慮して間取りを設計する
中庭のある家で快適に暮らすためには、生活動線を意識した間取り設計が不可欠です。
例えば、キッチンからダイニング、そして中庭へとスムーズに移動できる間取りにすれば、アウトドアダイニングとして気軽に活用できます。
また、洗濯機のある洗面室から物干しスペースとなる中庭への動線を短くすることも、日々の家事負担を軽減する上で重要です。
中庭をぐるりと回れる回遊動線を取り入れるなど、移動がスムーズになる工夫を凝らすことで、中庭のデメリットである動線の長さを解消し、暮らしやすさを向上させられます。
水はけを良くするために排水設備を整える

中庭、特に四方を囲まれたロの字型の場合は、雨水の逃げ場がないため排水計画が非常に重要です。
大雨が降った際に水が溜まってしまうと、室内への浸水や建物の劣化につながる恐れがあります。
これを防ぐため、排水溝や集水マスなどの排水設備を適切に設置し、スムーズに雨水が流れるように計画する必要があります。
床面にわずかな勾配をつけて水が排水溝へ自然に流れるようにしたり、落ち葉などで詰まりにくい構造の排水溝を選んだりするなど、専門家と相談しながら入念な対策を講じましょう。
虫の発生や湿気への対策をあらかじめ計画する
中庭に植栽を配置すると、虫が発生しやすくなります。
室内に虫が侵入するのを防ぐため、中庭に面した窓には網戸を必ず設置しましょう。
また、ミントやラベンダーなど、虫が嫌うとされるハーブを植えるのも一つの対策です。
さらに、中庭は湿気がこもりやすい場所でもあるため、風通しを確保できる窓の配置を工夫することが重要です。
地面の仕上げには、水はけが良く湿気を通しにくい素材を選ぶといった配慮も求められます。
日当たりが確保しにくい場合は、特に湿気対策を重視した設計が必要です。
ライフスタイルに合った活用方法を具体的にイメージする
中庭を設ける際は、そこで何をしたいかという活用方法を具体的にイメージすることが成功の鍵です。
例えば、バーベキューを楽しみたいなら水道設備や屋外コンセント、照明が必要ですし、子どもの安全な遊び場にしたいなら、地面はケガをしにくい素材を選ぶと良いでしょう。
なんとなく設けただけでは、結局使わないただの空き地になってしまう可能性があります。
将来の家族構成の変化も見据え、後からウッドデッキを設置するなどのリフォームも視野に入れつつ、自分たちのライフスタイルに合った計画を立てましょう。
【おしゃれな「中庭のある家」の間取り実例を紹介】

ここでは、おしゃれな「中庭のある家」を建てた方の間取り実例をいくつかご紹介します。
さまざまな敷地条件やライフスタイルに合わせて、どのように中庭が活用されているかを見ることで、ご自身の家づくりのヒントが見つかるかもしれません。
外観のデザインや室内とのつながり方など、具体的なアイデアはモデルハウスを訪れるような感覚で参考にできます。
理想の暮らしをイメージしながら、素敵な実例を見ていきましょう。
シンボルツリーが映える家族の憩いの場となる中庭

中庭の中央にシンボルツリーを一本植えるだけで空間はぐっと魅力的になります。
リビングやダイニングキッチンなど家の中のさまざまな場所からその木を眺めることができ暮らしに彩りと安らぎを与えてくれます。
春には新緑、夏には木陰、秋には紅葉、冬にはイルミネーションと、四季の移ろいを身近に感じられるのが大きな魅力です。
木の周りにベンチを造作すれば自然と家族が集まる憩いのスペースが生まれます。
夜にはライトアップすることで昼間とは違った幻想的な雰囲気を楽しむこともできます。
キッチンと直結したアウトドアダイニングとして使える中庭

キッチンやダイニングに隣接して中庭を配置し、大きな窓やドアでつなぐ間取りは非常に人気があります。
このレイアウトの最大のメリットは、作った料理をすぐに中庭へ運べるため、気軽にアウトドアダイニングを楽しめる点です。
天気の良い週末のブランチや、友人たちを招いてのホームパーティーなど、日常の食事が特別なイベントに変わります。
床の高さを室内と揃えることで、より一体感が生まれ、リビング空間が外へと広がっていくような開放感を味わえます。
2階にLDKがある場合でも、バルコニーを広く設計すれば同様の楽しみ方が可能です。
二世帯住宅の程よい距離感を保つ中庭

二世帯住宅において、中庭は親世帯と子世帯の間に程よい距離感を生み出すための有効なスペースとなります。
例えば、コの字型の建物の両端にそれぞれの世帯の居住スペースを配置し、中央の中庭を共有スペースとする間取りが考えられます。
これにより、互いのプライバシーを尊重しながらも、中庭を通して緩やかにつながり、お互いの気配を感じることができます。
孫が中庭で遊ぶ姿を親世帯が見守ったり、時には一緒にガーデニングを楽しんだりと、世代間のコミュニケーションを育む場としても機能します。
空を独り占めできる開放感抜群の屋上のような中庭

都市部の住宅密集地では、隣家との距離が近く、1階に庭を設けても十分な採光やプライバシーの確保が難しい場合があります。
そうした環境で人気なのが、2階や3階建ての屋上部分に設けるプライベートな中庭です。
周囲の視線を気にすることなく、空を独り占めできる開放感は格別です。
ソファを置いてリラックススペースにしたり、家庭菜園を楽しんだり、夜には星空を眺めたりと、都市にいながら自然を感じられる贅沢な空間になります。
建物に囲まれているため、落下のリスクが少ないのもメリットです。
【まとめ】
中庭のある家は、日当たりや風通しの良い快適な居住環境、プライバシーが守られた開放的な空間を実現できるなど、多くの魅力を持っています。
一方で、建築費用が高くなる傾向や、居住スペースへの影響、日々のメンテナンスといった考慮すべき点も存在します。
これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身のライフスタイルに合った活用方法を具体的に描くことが、後悔しない家づくりの第一歩です。
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