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タイル外壁はメンテナンス不要?その特徴やメリット・デメリットを分かりやすくご紹介

はじめての家づくり 2025年9月3日 NEW

マイホームを建てるとき、家の顔となる外壁選びはとても重要です。
中でも、重厚感と美しさを兼ね備えたタイルの外壁は、魅力的な選択肢の一つです。

タイル外壁は塗装によるメンテナンスが基本的に不要なため、「メンテナンスが楽」と言われることもありますが、完全に手入れが不要というわけではありません。

この記事では、タイル外壁の基本的な特徴から、知っておきたいメリット・デメリット、そして実際のメンテナンスまで、分かりやすく解説します。

目次

タイル外壁とは?まず知っておきたい基本的な特徴

タイル外壁とは、土や石などの自然素材を主な原料とし、高温で焼き固めて作られた板状の建材を指します。
この製法により、非常に硬く、水が染み込みにくいという特徴が生まれます。

タイルを外壁に貼る方法には、モルタルで直接貼り付ける「湿式工法」と、接着剤などで固定する「乾式工法」があります。

現在の戸建て住宅では、施工しやすく安定した品質を保ちやすい乾式工法が主流の貼り方となっています。

タイルの種類

外壁材として使われるタイルの種類は、主に吸水率の違いによって分けられます。
代表的なものに「磁器質タイル」があり、吸水率が1%以下と極めて低く、緻密で硬い性質を持っています。

もう一つは「せっ器質タイル」で、吸水率は5%以下です。
磁器質に比べると少し吸水しますが、その分、土の風合いを感じさせる素朴で温かみのある表情が魅力となっています。

タイルのサイズ

外壁タイルのサイズには様々なバリエーションがあり、どれを選ぶかによって家の印象が大きく変わります。

中でもレンガの長辺の大きさを元にした「二丁掛」と呼ばれる227mm×60mmのサイズが、標準的で広く採用されています。

その他にも、正方形に近い「50角」(45mm×45mm)や、二丁掛より少し小ぶりな「45二丁」(45mm×95mm)などがあります。

タイルを選ぶ際は、メーカーのカタログ表記に注意が必要です。
表示されているサイズがタイル単体の実寸なのか、施工時の目地幅を含んだ寸法なのかを確認しましょう。

タイル外壁が選ばれる3つのメリット

タイル外壁は、他の外壁材と比較して初期費用が高めであるにもかかわらず、多くの住宅で採用され人気を集めています。

その理由は、価格以上の価値を感じさせる優れたメリットがあるからです。

見た目の美しさはもちろん、日々の暮らしやすさや将来的なコスト面まで、様々な利点がタイル外壁のおすすめポイントです。

ここでは、タイル外壁が選ばれる主な3つのメリットについて、具体的に見ていきましょう。

高級感のある美しいデザイン性

タイル外壁が持つ最大の魅力の一つは、その高級感あふれる美しいデザイン性です。

土や石といった自然の素材から作られるタイルは、一枚一枚が異なる風合いを持ち、独特の重厚感と深みを醸し出します。

本物の素材だからこそ生まれるその質感は、他の外壁材では表現が難しい、格調高い外観を創り上げます。

タイルの色や形、貼り方の組み合わせ次第で、スタイリッシュでモダンな雰囲気から、落ち着きのある和モダンなデザインまで幅広く対応可能です。

いつまでも飽きのこない、おしゃれで上質な住まいを実現できるでしょう。

傷や汚れに強い耐久性

タイルは、高温で焼き固められているため表面が非常に硬く、傷がつきにくいという優れた耐久性を持っています。

例えば、風で飛んできた砂や小石が当たっても、簡単には傷つきません。

また、素材自体がほとんど水を吸わないため、防水性が高く、外壁の劣化を長期間にわたって防ぎます。

この性質により、表面に付着した汚れも雨水によって自然に洗い流されやすく、きれいな状態を保ちやすいです。

紫外線による色あせや変色もほとんど起こらないため、新築時の美しい外観を永く維持できます。

メンテナンス費用を削減できる

一般的なサイディングやモルタルの外壁は、防水性能を維持するために10年~15年周期での塗装の塗り替えが推奨されています。

しかし、タイル外壁の場合、タイル自体が塗装で保護する必要がないほど非常に高い耐久性を持っているため、この定期的な塗り替えが基本的に不要です。

塗り替えには足場の設置費用なども含めてまとまったコストがかかるため、その費用が発生しない点は大きなメリットと言えます。

初期費用は他の外壁材よりも高くなりますが、長期的な視点で見るとメンテナンスコストを大幅に削減することができます。

タイル外壁を検討する際に注意したい3つのデメリット

高級感があり耐久性も高いタイル外壁ですが、採用を決める前に知っておくべき注意点もいくつか存在します。

「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、タイル外壁特有のデメリットを正しく理解しておくことが大切です。

ここでは、タイル外壁を検討する上で特に注意したい3つのポイントを解説します。

初期費用が高額になりやすい

タイル外壁を選ぶ上で最も大きなデメリットとなるのが、初期費用が高額になりやすい点です。

タイル自体の材料単価が、日本で広く普及している窯業系サイディングや塗り壁といった他の外壁材に比べて高いためです。

さらに、タイルは職人が一枚ずつ手作業で丁寧に貼り付けていくため、施工にかかる手間と時間、つまり人件費も多くかかります。

これらの要因が重なり、外壁工事全体の金額が他のサイディングなどと比べると高くなるのが一般的です。

長期的な視点でのコスト比較は重要ですが、新築時の予算計画には注意が必要です。

職人の技術力によって耐久性が左右される

タイル外壁の美しい仕上がりと高い耐久性は、施工する職人の技術力に大きく依存します。

タイルを一枚ずつ正確な位置に、適切な量の接着剤で貼り付けていく作業は、非常に繊細で高いスキルが求められます。

もし施工方法に誤りがあったり、下地処理が不十分だったりすると、せっかくのタイルが数年で浮いたり剥がれたりする原因になりかねません。

そのため、注文住宅でタイル外壁を選ぶ際は、ハウスメーカーや工務店の施工実績を十分に確認することが重要です。

信頼できる業者に依頼することが、タイル外壁の性能を最大限に引き出す鍵となります。

地震や経年劣化でタイルが剥がれ落ちる危険性がある

タイルそのものは非常に丈夫な素材ですが、地震の大きな揺れによってひびが入ったり、下地から剥がれてしまったりするリスクがあります。

特に、下地に直接モルタルで貼り付ける昔ながらの工法の場合、建物の動きに追従できずに剥がれやすい側面も持ち合わせています。

また、タイルを接着している部分や下地は、時間とともに少しずつ劣化が進みます。

万が一、タイルの浮きや剥がれが発生すると、その隙間から雨水が侵入し、建物の構造体を傷める原因や雨漏りにつながる恐れがあるため、定期的な点検が欠かせません。

「タイル外壁はメンテナンスフリー」は本当?必要な手入れと費用相場

よく耳にする「タイル外壁はメンテナンスフリー」という言葉は、多くの場合「定期的な塗装の塗り替えが不要」という意味合いで使われています。

確かに、タイル自体の耐久性は非常に高く、塗装による保護は必要ありません。

しかし、家はタイルだけでできているわけではなく、全く手入れが不要というわけではないのです。

タイル以外の部分では経年による劣化が起こるため、適切な時期に点検や補修が必要になります。

ここでは、具体的にどのような手入れが必要なのかを解説します。

目地や下地の点検

タイル外壁のメンテナンスで重要なのが、タイルとタイルの隙間を埋めている目地や、その奥にある下地の点検です。

目地部分にひび割れや痩せが生じていないか、定期的に目で見て確認することが大切です。

また、タイルを軽く叩いてみて、他の部分と違う音がしたり、浮いているような感触があったりする場合は、下地との間で剥離が起きている可能性があります。

こうした異常を放置すると、隙間から雨水が侵入し、建物の内部構造を傷める原因となりかねません。
専門家による打診調査などで、定期的に状態をチェックするのが理想的です。

目地(シーリング)の補修

タイル外壁そのものではなく、窓のサッシ周りや異なる外壁材との取り合い部分などには、防水のためにシーリング(コーキング)というゴム状の素材が使われています。

このシーリング材は紫外線や雨風の影響で劣化しやすく、一般的に10年ほどで硬くなったり、ひび割れたり、痩せてきたりします。

劣化したシーリングをそのままにしておくと、その隙間から雨水が建物内部に侵入する原因となります。

そのため、定期的に状態を確認し、古くなったシーリングを撤去して新しく充填する「打ち替え」や、既存の上から重ねて充填する「増し打ち」といった補修が必要です。

タイルの浮き・ひび割れ・剥がれに対する部分的な補修

地震の揺れや、何かが強くぶつかった衝撃などによって、タイル本体にひび割れや欠けが生じることがあります。

また、経年劣化によって下地からタイルが浮いたり、剥がれたりすることも考えられます。

こうした損傷を発見した場合は、広範囲に問題が及ぶ前に部分的な補修を行うことが重要です。

補修方法としては、浮いている箇所に専用の接着剤を注入して固定する方法や、損傷したタイルを剥がして新しいものに張り替えるといった対応があります。

早期に対処することで、建物の安全性を保ち、大規模な修理費用がかかるのを防ぎます。

美観を保つための洗浄

タイル外壁は汚れが付きにくい素材ですが、長年の間には車の排気ガスやホコリ、日当たりの悪い場所ではコケなどが付着することがあります。

こうした汚れは、外壁の美観を損なう原因になります。
そのため、定期的な洗浄で見た目をきれいに保つことがおすすめです。

軽い汚れであれば、柔らかいブラシやスポンジを使って水洗いするだけで落とせます。

汚れがひどい場合には、専門業者による高圧洗浄が有効ですが、水圧が強すぎると目地を傷めてしまう可能性もあるため、専門の知識を持った業者に依頼するのが安心です。

放置は危険!タイル外壁に見られる劣化のサイン

タイル外壁は丈夫で長持ちしますが、全く劣化しないわけではありません。
劣化のサインを見逃して放置してしまうと、補修費用が高額になったり、建物の寿命そのものに影響を与えたりする可能性があります。

どのような症状が劣化のサインなのかを知っておけば、早期発見と適切な対処につながります。

ここでは、ご自身の家の外壁をチェックする際に、特に注意して見ていただきたい代表的な劣化のサインを3つご紹介します。

白い粉が浮き出る「白華現象(エフロレッセンス)」

タイルの目地や表面部分に、白い綿のような、あるいは粉を吹いたようなものが付着していることがあります。
これは「白華現象(エフロレッセンス)」と呼ばれる現象です。

コンクリートやモルタルに含まれる成分が、雨水などによって溶け出し、表面で空気中の二酸化炭素と反応して白く固まったものです。

多くの場合、建物の強度に直接的な影響はありませんが、内部に水分が侵入しているサインでもあります。

特に広範囲で発生していたり、繰り返し現れたりする場合は、水分の通り道ができてしまっている可能性があるので注意が必要です。

盛り上がって見える「浮き」や「剥がれ」

外壁のタイルが部分的に盛り上がって見える「浮き」や、実際にタイルが剥がれ落ちてしまう「剥がれ」は、見つけたらすぐに対応が必要な危険な劣化サインです。

接着剤の劣化や施工不良、地震の揺れなどが原因で発生します。

浮いたタイルの隙間から雨水が侵入し、内部の劣化を進行させるだけでなく、剥がれ落ちたタイルが通行人や車に当たれば大きな事故につながる恐れもありますので、少しでも異常を感じたら速やかに専門業者に点検を依頼しましょう。

タイル本体に生じる「ひび割れ」や「欠け」

非常に硬いタイルですが、物が強く衝突したり、建物の歪みや振動が影響したりすることで、タイル自体に「ひび割れ」や「欠け」が発生することがあります。

髪の毛程度の細いひび割れ(ヘアークラック)であっても、油断はできません。
そのわずかな隙間から雨水が浸入し、冬場に凍結して内部からタイルを破壊したり、下地の劣化を早めたりする原因になります。

ひび割れや欠けを見つけた場合は、損傷が小さいうちに補修材で埋めるか、部分的にタイルを張り替えるなどの対処が必要です。

まとめ

タイル外壁は、高級感のある美しいデザイン性と、傷や汚れに強い高い耐久性を兼ね備えた魅力的な外壁材です。

初期費用は他の外壁材に比べて高額になる傾向がありますが、塗り替え費用がかからないため、長期的な視点で見るとコストを抑えられる可能性も十分にあります。

しかし、シーリングの補修や部分的なタイルの補修といった手入れは必要になりますので、メリットとデメリットの両方を正しく理解した上で、信頼できる施工業者を選ぶことが、満足度の高い家づくりにつながります。

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